頭蓋変形外来について
昨年ブログを始めようと思ったきっかけの1つが、娘の頭蓋変形のことでした。しかしいざブログを始めてもなかなか病気のことを書けませんでした。
しかし、私達夫婦のように同じ病気で悩む方の少しでも役に立てればと思い記事にしました。
長文になるため何回かに分けて記事にします。
生後まもなく気になった頭の形
娘は生後間もない頃、筋性斜頸の影響で右側の一方向しか向けませんでした。そのため生後1ヶ月経たずの頃から頭の変形が気になる程で、後頭部の右側がぺちゃんこ、左側が突出したような斜頭でした。
NICU退院後、同大学病院の外来に筋性斜頸の経過観察で通院し、その際にも頭の形を相談してみました。
・ドーナツ枕を使ってみる
・タオル等で頭から背中にかけて土手を作り傾けて寝かせる
・寝かせる時や授乳時等は左側から刺激を与える
・動くようになれば徐々に気にならないくらいに戻る
色々アドバイスを頂きました。
夫婦で病気や治療について調べ、「最終的な選択肢にヘルメット被せるってのもあるみたいね」と、夫が冗談半分に言っていました。弁護士の大渕愛子さんが息子さんの頭蓋変形治療についてテレビで話されていたのが話題になったので何となくそういうのもあるんだなくらいに思っていました。
治る気がしなかった頭の形
頂いたアドバイスを試し、それでも治る気がせず不安になり、ネット検索ばかりしてまた不安になる繰り返しでした。体動が多くなるにつれ娘は枕やタオルはすぐに押し退けてしまい、これらがベッド内にあること自体、窒息のリスクがあり危険で止めました。
夫からしたら私が神経質に見えたかもしれません。しかし毎日娘とずっと一緒にいる私は娘の頭の形ばかり気になり、左側を向かせることばかり考え、思うようにならないと悲しくなって、育児が全く楽しくない時期がありました。
他に楽しいことや娘の成長を感じられるような出来事があっただろうに、そこへは気持ちが向かなかったのです。
また斜頭になってしまったことが自分のせいだと思い、娘に申し訳ない気持ちで一杯で、治るためにできることがあるのなら何でもしてあげたいと思いました。
そしていつか夫が冗談半分に言った「ヘルメットを被せる」ことが現実味を帯びてきました。
頭蓋変形治療の開始時期、タイムリミットに焦った
ネットで頭蓋変形治療の情報をみると、治療開始時期は生後早い方が良く、生後6ヶ月頃までには開始した方がよさそうとのこと。
日本国内では頭蓋変形治療をしている病院がいくつかあり、ネット検索ですぐに情報を得られました。また、様々な方のブログで体験記を読みました。
しかし、治療開始時期のリミットが近付く一方で私達夫婦、特に私は一歩を踏み出せませんでした。
その理由が①~③です。
①治療が保険適応外であること
②東京まで通院しなければならないこと
③娘が望む治療なのか
①保険適応外治療を行うか否かの判断
日本国内で頭蓋変形治療を行う場合、保険適応外治療になります。
保険適応外というと、美容整形や歯科矯正と同じようなものなのか、治療効果が確立されてないのではないか、何か有害事象が起きても救済されないのではないか・・・、こんな事を考えていました。
②東京までの通院
娘は第一子で私は育児そのものにも不慣れな状況。出かけるといったら近所のスーパーや支援センターくらいでした。
都内や近郊在住ならまだしも、そうでなければ生後6ヶ月の娘を連れて東京まで通院なんてなかなかできるものではないと思いました。
③娘が望む治療なのか
ネットには、赤ちゃんがヘルメットを被るのに抵抗したことや頭皮トラブルの情報もありました。果たして本当に娘に必要な治療なのか、親のエゴなのではないか、娘が嫌な思いをしてヘルメットを被ることにならないか、とても悩みました。
夫婦で何度も話し合い、最終的にはいつも娘と一緒にいる私が明るく幸せな気持ちでいることが娘にとっても一番幸せであり、私がそうなれるよう、治療をする方向で話が進んだと思います。
もしかしたら娘がヘルメットを嫌がって途中でドロップアウトすることになるかもしれない。そうなったらそれは仕方ないと思いました。
子が意思表示ができない場合、治療選択ができないからこそ親が決断しなければなりません。とても判断が難しく、どのような結果になろうとも、何度も話し合うことが後悔を生まず、大切なことだと思いました。
タイムリミットが迫り焦る気持ちを抑え、時には時間を置いて話し合いました。